6th感想とか

 デレマス6th埼玉、名古屋(LV)と研のセミナー発表が一通り終わってから自分の中の何かが吹っ切れてしまった。話すこと考えてもネガティブよりなことしか思いつかないので6thの感想でも書く。

 

 実を言うとあまり覚えていない、というのも、何か夢の中にいたような感じで、モヤモヤしている状態で脳に保存されている。名古屋2日目の方は最近だったからまあ少しは語れるかな…。千秋楽ということもあり内容が濃かったかなあ。デレステから入った者なので各々の2つ目のソロ曲は初めて聞く曲が多かった。終盤は強者揃いでしたね。ライブビューイングだったけど十分楽しめた。あと、本物のよしのんがいたよ。よしのんがいました(2回目)。ただ掛け声の凄さはやはり現地が圧倒的だった。埼玉2日目は自分にとっては強すぎた、新田ーニャPだから死んだ。走りながら歌える肺活量持ってるナナさんは17歳だった。

声優さん達の、人前に出てライブを披露し、そのために膨大な準備をして臨む姿に新鮮味を感じた。声優自身がキャラそのものと思えるようだったし(衣装とか声だけでなくて、雰囲気とかが似ている。勿論役作りしている人もいるが)、アイマスの声優の選考基準、厳しそうだな…とか勝手に考えてた。

 

 どちらも開催時精神的におかしくなってて(継続中)行けるか分からなかったが、無理して行って良かったわ。それに、ライブに誘ってくれた友人たちに本当に感謝している。自分は恵まれていることを再確認した。

 

 某ボランティアおじさんが言ってた、受けた恩は石に刻んで情けは水に流せみたいな名言、あれ偉大すぎて真似は困難だけど、恩だけ受け取っているだけじゃあ駄目だなあ。周りの人の為になれることをしたいなあ、研究なんかよりずっと。

 

 

 

三角関数近似の話

前回の話で、基底や内積について紹介したが、それは二次元の座標平面での話だったので、もっと一般の空間(線型空間)に対して内積を定義したい。

内積の一般的な定義

ℝ上の線形空間Vの二点 x,y に対し複素数 (x, y) が対応して次の条件を満たすとき、この (x, y) を x と y の内積という。

①:(x, x) ≧ 0 で、(x, x) = 0 となるのは x = 0 のときのみである

②:(x, y) =(y, x)

➂:(x + y, z) = (x, z) + (y, z)、 (αx, y) = α(x,y)  (α∈ℝ)

 

※ℂ上の線形空間のときは②の右辺は共役複素数になる。

関数空間の内積

ここでは、-π≦ x ≦π で定義された関数 f(x) 全体の空間を考える。関数の空間ってなんだよ、という話だが、要するに関数の集合で、関数同士をたしても関数、関数を何倍かしても関数になるようなものと思ってくれれば十分である。

 

関数 f, g に対し、(f, g)を、

 

(f, g) = ∫[-π, π] f(x)g(x)dx

 

とおくと、これは上の条件①、②、③を満たしている。

(この関数空間での 0 は、零写像のことである。)

 

このようにうまく内積を設定すると、次が分かる。

(1, cos(nx)) = 0

(1, sin(nx)) = 0

(cos(nx), cos(mx)) = 0 if n ≠ m

(sin(nx), sin(mx)) = 0 if n ≠ m

(cos(nx), sin(mx)) = 0

(1は、-π≦ x ≦πで常に1に値をとる定数関数、n、m ∈ℕ)

 

これにより、集合 {1, cos(nx), sin(mx) | n, m∈ℕ}は、互いの元が直交しあうことがわかる。しかもこの集合、無限集合(可算集合)であるので、関数空間というのは、どうやら次元が無限次元ということも分かる。よって、関数 f(x)は、

f(x) ≒ (a_0)/2 + Σ[1≦n]{(a_n)cos(nx) +(b_n)sin(nx)}

のような形で書けそう、ということが考えられる。

 

※a_0 = ∫[-π, π] f(x)dx

 a_n = ∫[-π, π] f(x)cos(nx)dx

 b_n = ∫[-π, π] f(x)sin(nx)dx

 

一次独立と直交

高校数学の少し発展的な内容でテイラー展開というのがある。これは「関数を多項式関数で近似する」というものである。これと似た話で、「関数を三角関数で近似できないか」というのを考えたい。それを説明する前に、少し線形代数に関する知識を準備をしたい。(紹介するのは、線形空間の基底、一次独立、内積についてです。)

 

高校数学の教科書で見た、二次元の座標平面を思い出してみよう。

 

e_1 

e_2 

という二つのベクトルを用意する。

条件①:二次元座標平面上のどんな点(X, Y)も、

 

(X, Y) = Xe_1 + Ye_2

 

と、「この二つのベクトルをそれぞれ何倍かしたやつの和」で書ける。

 

条件②:「Ae_1 + Be_2 = 0としたとき、A = B = 0」が成り立つ。

 

このような条件①、②を満たすe_1, e_2(のセット)を、二次元座標平面の基底という。

 

基底の取り方は

(2, 0)と(0, 3)

(1, 1)と(-1,1)

などと、いろいろある。

 

一方、高2ぐらいになると「ベクトルの内積」というのを習うと思う。二つのベクトルの内積は「各成分をかけた数字を足す」と求まる。特に内積が0になると、その二つのベクトルは直交するという。

(1, 0)と(0, 2)の内積は0になるので、これらは直交している。

(1, 1)と(-1,1)も内積が0なので直交している。

 

ここで、二つの(0でない)ベクトル x, y が直交しているとすると、これらは基底になることがわかる。(証明は別に読まなくていいです)

pf)

Ax + By = 0とすると、

「Ax + By と x」

「Ax + By と y」の内積を考えることでA = B = 0がわかる。(内積の線形性を使用)

よって条件②を満たす。

 

一方xとyで生成される部分空間{Ax + By | A, B ∈ ℝ}は次元(その空間の基底の個数)は2、また{Ax + By | A, B ∈ ℝ}は二次元座標平面の部分空間なので、この部分空間そのものが二次元座標平面。

よって条件①も満たす。

 

人間の直観と外れた話

 勉強したことも使う機会が無ければ、時と共に忘れてしまう。自分はこれがかなり顕著で、高校の物理化学や教習所の座学知識、それどころか学部時代に勉強した数学も忘れている。そんな自分でも忘れてないことを少し話そうと思う。細かいことは省略して話すことにする。

 

 例えば、次の問題を考えてみよう。

 

全ての偶数全体の集合と、全ての整数全体の集合は、どちらが大きいか?

 

この問題を見た時、誰しも最初は

偶数全体の集合(2ℤとかく)は整数全体の集合(ℤとかく)に含まれてるし、ℤは奇数も持ってるから、ℤの方が大きいはずだろう

と思う。だが実際は、両者は同じくらいの”大きさ”をしている。

 

集合がどれだけ大きいかを見るにはその集合にどれだけの要素があるのかを見ればよい。だがℤや2ℤは無限に要素がある無限集合なので具体的に「~個ある」と断言できない。(「無限」と言うのは数字ではない)なので無限集合の要素の個数は「濃度」という言い方をする。

集合の濃度の大小を知るために、用語を準備しよう。

写像

A,Bを集合とする。Aの元 a に対してBのある元 f(a) を対応させる規則 f のことを、AからBへの写像といい、

 f : A  →  B

とかく。例えば、 高校数学で二次関数や直線の問題でf(x) = 2x+3 というような書き方を見たことがあるかもしれないが、これは「 x を 2x+3 へ変換する」ということである。

単射全射全単射

上で定義したような写像 f が

 p ,q ∈ Aに対し、p ≠ q ならば f(p) ≠ f(q)

が成り立つとき、 f は単射であるという。

つまり、異なる元は変換されても異なる元になるということ。

 

一方、Bのどんな元 b をとってきても、あるAの元 a があって、

 b = f(a)

が成り立つとき、 f は全射であるという。

つまり、Bのどんな元もAのある元で変換したものになっているということ。

 

更に、 f が単射かつ全射であるとき、 f は全単射であるという。

イメージとしては、Aのどの元もそれぞれ相異なるBの元に変換され、その変換された元全てを集めると丁度Bが出来るということである。

濃度が等しいとは?

二つの集合A,Bの濃度が等しいとは、AからBへの(もしくはBからAへの)全単射がつくれるときをいう。

 

この定義の厄介なところが、「全単射が存在している」ということで、この定義通りに濃度が等しいことを言うには、自分でうまく写像を作って、それが全単射であることを言わなければならない。

 

では実際に2ℤとℤの濃度が等しいことを示そう。

 

f : ℤ→2ℤ を、n ∈ ℤに対し

f(n) = 2n とおいてみよう。

 

単射

n, m ∈ ℤが、n ≠ m ならば 2n ≠ 2m であるので、f は単射である。

全射

偶数は2の倍数なので、どんな偶数も 2p という形でかける。(pは整数)

よって 2p = f(p) より、f は全射である。

 

これらより、f は全単射であることが言えたから、ℤと2ℤは濃度が等しい。

我々は有限に縛られている

ここで自分が言いたかったのは、有限の世界で成り立つことでも、無限の世界では成りたつとは限らない、ということである。こんな式もある。

1 + 2 + 3 + 4 + ...= -1/12

なんで正の数を足していってるのに値が負の値になるんだ?と思った。無限の世界は有限には囚われないヤバさ(褒め言葉)がある。